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江戸時代から伝わった行事で、昔は延年祭(えんねんさい)といわれ、厳島神社の大鳥居近くの海で行われる年中行事である。現在は8月の正午前後が満潮に当たる日曜日に行われている。海中に組んだやぐらに、注連縄を張り宝珠を乗せた地盤を上下に動かす。それに裸の若者が肩車をして飛びついて宝珠を落とす。その後、海中での争奪戦となり、最後に注進所に宝珠を持込んだ者には幸運が約束されるといわれている。
玉取祭はおよそ400年前の京都総本山仁和寺(にんなじ)で行われていた「延年の舞」という祝いの行事が起源とされる。延年の舞は、年を延ばす祝行事で、当時は厳島神社の拝殿に木彫りの福神像を載せた1m四方の台を吊り、その台の下に「延年坊主」という僧侶を伏せさせ、その周りを他の僧侶が取りまき、「延年坊主」の御霊を台上の福神像に移す儀式が行われていた。そしてこの儀式が終了すると、町の若者達が先を争って台上の福神像を奪い合うようになったことが、宮島の玉取祭の由来といわれている。
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