2005年8月25日作成
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山口県長門市通


                   




 
通くじら祭 (かよい くじらまつり) 
山口県長門市通(かよい)地区の「通くじら祭」が7月21日、通漁港で開かれた。鯨を網で囲み、銛で突き獲る古式捕鯨を再現している勇壮な祭である。鯨墓建立300年を記念して、平成4年(1992年)から始められたもので、古式捕鯨の他に、和船競漕大会、通鯨唄奉納などが行われた。この祭りは、地元活性化のために通漁協青壮部(橘会)が立ち上げた祭りである。  主催:JF山口ながと通支所青壮年部橘会



JR山陰本線長門市駅からバスに乗り、約30分で青海島(おおみじま)先端に位置する通(かよい)漁港に着く。

くじら資料館 青海島の東先端にある通漁港
  
  
(かよい)地区は、江戸時代に捕鯨集団である「鯨組」が創業され栄えた所である。鯨組は仙崎、通、川尻の3組あり、日本で網取り式捕鯨を最初に行ったとされている。通には「くじら資料館」があり古式捕鯨の資料や装備等を展示している。
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鯨を模った船(くじら丸)
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くじら資料館裏の高台にある寺の清月庵には、捕獲された鯨の胎児を埋葬した「鯨墓」が残されている。鯨を解体したときに身ごもっていた胎児を供養するためだという。花こう岩で作られた墓石の正面には「南無阿弥陀仏」の文字がある。その下には「業尽有情雖放不生、故宿人天同証仏果」と印刻されている。意味は胎児に対し捕ってしまったことは本意ではなかったと訴えるもので、哀れみの気持ちを表しているという

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海を見下ろす高台にある鯨墓

午前9時から漁港の広場(小浦埋立地)で第27回和船競漕大会の開会式があった。これは小中学生や地域の大人が湾内で90mの距離を往復して速さを競うものである。以前は独立して行っていたが、現在はくじら祭と同じ日に行われている。関係者が集まり松林正俊(まつばやしまさとし) 長門市長の挨拶で始まった。

                             松林正俊 長門市長    (画像の上にマウスを移動すると市長がアップします)


整列する小中学生


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白熱する和船競漕大会

会場内では鯨肉の格安販売と試食会があった。地元婦人会による鯨肉南蛮煮はとても好評で美味である。

鯨肉試食会

漁協通支所近くの市場前では11時から始まる海上古式捕鯨のための準備が行われていた。赤い褌姿の男たちが捕鯨の道具を船に積んでいた。

捕鯨網を積み込む男たち
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船べりに座り出発を待つ
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11時を過ぎた頃、小学生が「くじらが来たゾ〜!」と大声をあげると同時に狼煙があがった。それを見て待機していた男たちは4隻の“勢子舟(せこぶね)に分乗し、捕鯨に向けて一斉に漕ぎ出した。
*“勢子舟”は、今でいう捕鯨船の役割を担っていたものである。

鯨を捕りに出陣!
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鯨に向かって進む
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 潮吹く鯨を発見
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