2006年5月25日作成
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福岡県 久留米市 大善寺町(玉垂宮)

 
 
                   




 
日本三大火祭り 鬼夜(おによ)
鬼夜は、1600年を超える歴史をもつ、新年の邪気を払う追儺(ついな)儀式で、日本三大火祭りの一つとされ、国の重要無形民俗文化財でもある。大晦日の夜から正月7日まで行われる鬼会(おにえ)神事の最終日に行われる。当日、午後9時過ぎに長さ約13m、直径約1m、重さ約1.2トンの大松明6本に点火されると、氏子らが燃え続ける大松明を棒で支え境内を練り歩く。この火の粉を浴びると、開運と無病息災に御利益があるといわれている。
  日本三大火祭り:(鬼夜・鞍馬の火祭り・那智の火祭り)

大善寺玉垂宮(たまたれぐう)

大善寺玉垂宮 (だいぜんじ たまたれぐう)
西鉄天神大牟田線の「大善寺駅」で下車し、徒歩5分ほどの距離にある。およそ1900年前に創建されたといわれている古社。祭神は玉垂宮(藤大臣・高良玉垂代菩薩とも称した)、八幡大神、住吉大神の三柱を祀る。神宮寺の高法寺(のち大善寺と改称)は奈良時代の創建で、長い間神仏習合の神社であった。境内は約1万5千uの敷地を持ち、本殿、幣殿、拝殿、楼門、惣門、回廊、御輿殿、石鳥居、社務所のほか、鐘楼、鬼堂がある。ここで毎年、1月7日に「鬼夜」が行われる。

玉垂宮の境内 (資料) 1月7日 行事時間表 (資料)
  
13時 鬼面尊神渡御
16時 鬼面尊神還御
19時 たいまわしの境内参集
20時 汐井汲み神事(広川の汐井場)
20時過ぎ たいまわしの汐井かき
20時50分 境内全域の照明消灯
21時 たいまわしの勢揃い
21時20分 6本の大松明(おおたいまつ)に点火
21時30分 鉾面神事(鬼堂前の神事執行場)
21時40分 大松明(おおたいまつ)移動開始
22時 大松明本殿西側止め。鬼の堂回り
22時20分 一番松明の火取り
22時30分 一番松明の惣門くぐり。一番松明消火
22時40分 鬼の禊(広川の汐井場)
22時50分 大松明2周目
23時過ぎ 厄鐘
23時20分過ぎ 大松明全て消火。神事終了

午後7時過ぎに、締め込み姿に三つ巴の神紋の鉢巻を締めた「たいまわし」と呼ばれる氏子たちが、提灯や手松明(てたいまつ)を持って、境内の裏手に集合し始めた。各地区ごとに、焚き火の周りで鬼夜の開始を待つ。

焚き火にあたり始まりを待つ


「たいまわし」と呼ばれる男衆
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鬼夜(おによ)の由来
仁徳天皇御代56年(368年)の1月7日に、藤大臣(とうだいじん)(玉垂宮)が勅命(ちょくめい)により、この地を荒し人民を苦しめていた肥前水上の桜桃沈輪(ゆすらちんりん)という男を、闇夜に松明を照らして捜し出し、首を討ち取り、茅(かや)を集めて焼いたのが始まりといわれている。およそ1600年余り前のことである。

幼子も肩車されて参加する
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出発の時間が近づくと、締め込み姿にさらし腹巻きの男達は、手々振(てでふり)と、手々振を左右で補佐する助(すけ)を先頭に、提灯や松明(たいまつ)を掲げて、地区ごとに隊列を組む。

先頭に立つ「手々振(てでふり)」と「助(すけ)
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町名入りの提灯(ちょうちん)を持つ氏子
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「山野町」の子供たち
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午後8時を過ぎた頃、たいまわし(氏子)達が、玉垂宮の前を流れる広川の汐井場(しおいば)に向かって、一斉に移動を始めた。鬼夜(おによ)の始まりである。最初に「汐井汲み(しおいくみ)神事」が行われる。

広川に向かって走る


松明(たいまつ)を持って広川に向かう

汐井汲み(しおいくみ)神事
太鼓の合図とともに、本殿から2本の手松明を先頭に、約20人の役職者が、汐井桶を担いで玉垂宮前の広川にある汐井場で禊を行い、お汐井を汲んで本殿の神前に供える。汐井場(しおいば)は、川の中ほどにあり、注連縄(しめなわ)が張られている。

広川にある汐井場(しおいば)へと向かう
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広川での汐井汲み(しおいくみ)神事
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(みそぎ)を終えて岸へと上がる


汐井場から階段(汐井口)を上がる神火
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桶にお汐井を汲んで上がる

20名ほどの役職者たちは参道を通って本殿へと向かう。手には赤々とした松明(たいまつ)を持ち、その後に汐井桶(しおいおけ)を担いだ男たちが続く。

参道から本殿に向かう神火
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