2005年10月3日作成
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滋賀県近江八幡市白王町(伊崎寺)


                   




 
伊崎の竿飛び (いさきのさおとび) 
例年、8月の第1日曜に行われる。琵琶湖上に突き出た長さ13mの角材から、若者らが約7m下の湖面に飛び込む。今から約1.100年前に伊崎寺の修行僧が、眼下に広がる琵琶湖に空鉢を投げて、湖上を行きかう漁民たちに喜捨(きしゃ)を乞い、そのあと自ら湖中に飛びこんで、空鉢を拾い上げたのが始まりといわれる。これが天台宗の僧や信者らにより、湖へ飛び込む捨身(しゃしん)の修行として形を変え「竿飛び」として残り、現代になって厄除祈願、度胸試として定着した行事である。
喜捨(きしゃ):金銭や物品を寺社や困っている人に差し出すこと。捨身(しゃしん):仏法や他者救済などのために、自分の命をすてること。

伊崎寺 本堂
  
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伊崎寺
近江八幡市の北位置し、琵琶湖に突き出た小さな
半島の先端に建っている。今は陸続きだが、昔は
湖に浮かぶ島(伊崎島)だったといい、湖から来る
信者を迎えるため、琵琶湖に面して山門が建って
いる。貞観年間(859〜87年)に開山と伝わる伊崎
寺は、比叡山延暦寺の末寺で修行道場でもある。

比叡山の荒行、千日回峰創始者の相応和尚ゆか
りの修行場でも知られている。
伊崎寺は、現在、千日回峯行という修行をおさめら
れた光永覚道氏(大阿闇梨)により、守られている。

JR近江八幡駅前から バスに乗り 堀切港で下車し、田畑沿いに歩いて行くと伊崎不動の看板がある。そこから山道を登って行くと、15分ほどで伊崎寺に着く。本堂の裏に回ると、棹飛堂(さおとびどう)が断崖絶壁の僅かなスペースの上に建っている。

棹飛堂から琵琶湖を眼下に見る


棹飛堂の展望台
資料より
棹飛堂全景
   

午前10時から本堂で法要があり、11時から竿飛びが行われる。始まるまでにまだ若干の時間があるため、飛び込みの練習が行われていた。


一斉に飛び込む5人の若者
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この竿飛び行事はその昔は褌姿で行われていたが、いつの日かパンツ姿と変質してしまった。大勢の参加者の中でその姿を彷彿させる一人の男性が現れた。


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六尺褌で登場した男性


真っ赤な六尺褌


竿の先端に立ち両手を広げスタンバイする
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青い湖面に向かって7mのダイブを試みる。真夏の太陽を浴びて、褐色の肌は眩しいくらいに光っている。

エィ!と思い切って飛び降りた
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 青い湖面に吸い込まれて行く
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見事な着水を披露した赤褌の男性

参加人数は40〜50名くらいであろうか、竿の周辺に順番待ちの長い列が出来ていた。湖国に盛夏の到来を告げる伝統行事を、各人が思い思いに楽しんでいるように見えた。

手を上げて声援に応える人(1)
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きれいなフォームで飛び込んだ(2)
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満点の飛び込み(3)

夏休みシーズンのため、親子で参加している人も見られた。良い思い出になることだろう。

手をつなぎ親子で飛び込む


着水後の白濁の渦
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