2008年3月29日作成
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開催地: 愛知県幡豆郡幡豆町(鳥羽神明社
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天下の奇祭「鳥羽の火祭り」

愛知県幡豆(はず)町の鳥羽神明社(とばしんめいしゃ)の奇祭「鳥羽の火祭り」は、毎年旧暦1月7日(現在は2月第2日曜日)に行われる。祭りの起源は、約1200年前と伝えられる。高さ約5mの「すずみ」を二基作り、中に神木と十二縄(月の数の縄)を納め、それに火打石で点火して始まる。そして「すずみ」の燃える中に、西側の福地(ふくじ)、東側の乾地(かんじ)の二つの地区に別れた奉仕者たちが、厄男を中心に炎の中に飛び込み、神木と十二縄を競って取り出し神前に供える。この祭りは「すずみ」の燃える具合と、「福地」「乾地」の勝敗によってその年の豊凶を占う神事である。鳥羽の火祭りは平成16年2月に国重要無形民俗文化財に指定された。


鳥羽神明社(しんめいしゃ)の拝殿

鳥羽神明社(とばしんめいしゃ)      鳥羽神明社ホームページ

鳥羽神明社は、名鉄蒲郡線三河鳥羽駅から徒歩10分の距離にあり、三河湾に面した愛知県幡豆(はず)郡に御鎮座している。第51代平城天皇の大同年間(806〜809年)の創建と伝わる。1200年の歴史を有する「鳥羽の火祭り」は「天下の奇祭」として名高く知られている。      


巨大な2基の「すずみ」
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火祭りの「すずみ」

竹や茅(かや)などで作られた巨大なすずみの高さはおよそ5m、重さは2トンにも及び、中には神男(しんおとこ)達によって燃え盛る炎の中から取り出される「神木」と、1年の12ヶ月を表すといわれる「十二縄」が納められている。


すずみの詳細図
資料(鳥羽神明社ホームページより抜粋)


境内に準備された2基の「すずみ」

神明社の西にある宮西川を境に地区を東西に分け、西を福地(ふくじ)、東を乾地(かんじ)と呼び、25歳の厄男である神男(しんおとこ)が1名ずつが選ばれる。神男は火祭り前の3日間、神社に篭もり身を清め、火祭りの当日は、午後3時より、奉仕者たちと共に約1Km先の海で丸裸のみそぎをする。

残雪の境内に立つ「すずみ」

神男(しんおとこ)と奉仕者たちは、古い幟(のぼり)で作った独特の衣装を身に着ける。一見、白と黒のまだらに見えるが、黒いのは幟の文字。それは魔除けの意味を持つとも伝えられている。

古い幟(のぼり)で作った胴着で身を包んだ奉仕者

午後7時半になると、火祭りの神事が始まった。宮司による御祓いのあと、火打石で火をおこし、2人の神男と奉仕者にて、「ゆすり棒」の先端にくくりつけた藁にその火を移し、「すずみ」の上部に点火する。乾いた茅(かや)で作られた「すずみ」はすぐに大きくなかがり火となり、暗黒の夜空を赤く照らす。

宮司による「清めの儀式」


火打石で「ゆすり棒」の先端の藁に着火



「すずみ」の上部に点火
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一気に燃え上がる「すずみ」


夜空を焦がす「すずみ」

奉仕者たちは「すずみ」につかまって全身でゆする姿や頭巾の形が猫に似ているところから、通称「ネコ」と呼ばれている。「ネコ」は火から身を守るため、頭から水をかぶる。

頭巾をかぶった奉仕者(猫) (1)


頭巾をかぶった奉仕者(猫) (2)


「すずみ」に駆け寄る奉仕者


梯子を登る奉仕者


燃え落ちる火玉に包まれる奉仕者


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