2006年6月11日作成

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熊本県 玉名郡 長洲町 (四王子神社)
 
                   





有明海まで進んだ男たちは、海の中で万歳三唱して「的ばかい」のフィナーレを迎える。ここで初めて群れの中から、大きな的が姿を現した。この的は、一週間前に長洲町・的ばかい保存会(宮本俊紀会長)のメンバー30人が、秘技を結集させ作り上げた縁起物である。

有明海でバンザイ!
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的が姿を現した
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有明海の干潟は足場がぬかるんでいて、足を取られてよろめく者もいて、すぐに真っ黒となってしまった。同時に祭りが無事終わった安堵感からか、男たちの顔からは笑みがこぼれる。

ぬかるむ干潟


足を取られ よろめく男

海の中には2〜3分ほどいたが、すぐに的を持った男衆を先頭に陸へと上がって来た。再び来た道を神社へと引き返すが、大半の男衆は仮設シャワーで体を洗い、近くの銭湯へと向かった。

的を先頭に陸へ上がる


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的を持ち上げる男

体格の立派な一人の男が、的を抱きかかえながら上がって来た。傍にはこのあと的を切る刀持ちも同行している。的は原形をとどめているものの、激しい争奪戦を物語るように、所々にほつれた痕(あと)が見える。

激戦に耐え抜いた的(まと)


直径60cm 重さ6kgの的(まと)
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四王子神社に向かう
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午後2時30分過ぎに、四王子神社の拝殿へと的が運ばれて、関係者によって細かく切り刻まれた。それらは町内の18区の氏子の各家庭に配られ無病息災・家内安全のお守りとされる。

刃が入れられる大きな的


細かく切られる的


その場で分けられ 参拝者も持ち帰る






  
西日本三大裸祭りのひとつだけあって、実に勇壮な祭りであった。特に的から藁を引きちぎり、口にくわえ、奪い合う斬新な姿は、この祭りならではのものだ。終始「まとー、まとー」と叫ぶ男たちは、統一されたふんどし姿であり、そこには800年におよぶ日本伝統の裸文化が息づいていた。残念ながら潮の関係で有明海に入水する場面は撮影できなかったが、存分に的ばかいの醍醐味に接することが出来た。これからも有明の冬の風物詩として、地域の伝統を守りながら成長していき、変質することなく、後世に継承されていって欲しいと願う。
 2006年1月15日撮影: ニコンD70  758枚(1108MB) 
  


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