2005年08月28日作成
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京都市左京区・下鴨神社

                 

                   





矢取り神事

8月、立秋前日の6日の夜、下鴨(しもがも)神社で「矢取り神事」が行われた。別名、夏越(なごし)神事と呼ばれる。法被姿の男女らが御手洗池(みたらしのいけ)に水しぶきを上げて飛び込み、矢に見立てた斎串(いぐし)を奪い合って、無病息災を祈願する伝統行事である。

(矢取り神事絵巻) 資料より

以前の矢取り神事は、下の写真のように褌姿で行われていたが、3年くらい前から法被を着て行われるようになった。何故か会場に貼ってあるポスターは、まだ褌一丁の写真となっていた。
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資料より
資料より

 下鴨(しもがも)神社
賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)が正式名であるが、鴨川の下流に祀られているというところから、通称は下鴨神社と呼ばれる。世界文化遺産であり、京都でも最も古い神社の一つでもある。京都三大祭りの一つ”葵祭り”でも知られている。

 下鴨神社入口にある石碑


重要文化財の楼門(ろうもん)と舞殿(まいどの)
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(ただす)の森
下鴨神社の南側に広がる緑豊な森で、『源氏物語』 『徒然草』をはじめ、数々の物語や詩歌管弦にうたわれてきた名所である。かつては約495万uの原生林だったが、今は約12万uで東京ドームの約3倍の広さとなっていて、静かな憩いの場として市民に親しまれている。

(ただす)の森の入り口

矢取り神事は夕方の6時30分からであるが、先だって午後3時になると、御手洗池(みたらしのいけ)にある井上社(いのうえしゃ)に神職らが集まって祈りを捧げた。

井上社(重要社殿)で祈る神職
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 神事の舞台となる御手洗池(みたらしのいけ)
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御手洗池には矢に見立てた50本の斎串(いぐし)が円形に立っている。これは下鴨神社の御祭神、玉依媛命(たまよりひめのみこと)が川遊びをしていると、一本の矢が流れ着き、持ち帰ったところ懐妊し、賀茂別雷神を生んだという故事にちなんでいて、今現在はこの矢を奪い合うことで一年の厄を払い、無病息災を祈る神事となっている。

円形に立つ50本の矢(斎串)
 
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日も落ちて辺りが暗くなった7時過ぎに、本殿での神事を終えて宮司や神職ら一同が御手洗池にやって来た。池の前で宮司が御祓いを行い、矢取りの神事が始まった。

池の前での神職の祈り
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地元の子どもたちの力強い和太鼓が響く中、法被姿の約40人が池を取り巻くように小走りで進んできた。

池の周りを囲む
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神職が人形(ひとがた)を池にまくと同時に、なだれ込む様にして一斉に池に飛び込んだ。人形(ひとがた)は、参拝者が厄除けのために奉納したもので、人の形をしていて切り紙で作られている。

50本の矢・斎串(いぐし)の争奪戦
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神職は人形(ひとがた)をまくが、柄杓で水をかける人もいて、参加者は一瞬の内にずぶ濡れになってしまった。

黄紙の人形(ひとがた)が乱れ飛ぶ
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池の中央に座り込む人



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