2006年10月21日作成
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三重県津市河芸町(八雲神社)
 

                  




 
ざる破り神事
三重県津市河芸町(かわげちょう)一色(いっしき)地区にある八雲(やくも)神社に約450年前から伝わる歴史的にも珍しい裸祭りである。毎年7月15日の夜、豊漁と安全を願って行われ、ふんどし姿の男たち約100人が、拝殿から投げ入れらる直径約1mの“ざる”を激しく奪い合う。すぐにざるは引き裂かれるが、その破片を手にした男たちには御利益あると伝えられている。この「ざる破り神事」は市の無形文化財にも指定されている。

ざる破り神事が行われる八雲神社

境内はさほど広くなくむしろ狭い。この境内が夜8時になると褌姿の男たちと観衆であふれ、いっぱいとなる。八雲神社の拝殿の奥には主役となる大きな竹ざるが奉納されている。

拝殿に奉納されている”ざる”


直径約1mの大きな竹ざる

「ざる破り神事」の由来
室町時代の中ごろ、近江源氏の末えいといわれる三井高次ら一族が、紀州地方を転戦の末破れ、一色(いっしき)海岸にたどり着いた時、空腹のあまり民家のざるにあった「よまし麦」を食べたところを家人に見つかり、ざるの奪い合いになっという故事にちなんでいる。今では当時の祖先を追憶し、豊漁と安穏無事を祈願するという祭礼として行われるようになった。引きちぎられたざるの竹の端を噛むと歯痛に効くといわれている。
*よまし麦:昔は麦飯を作るには、大麦をゆでて作っていた。それを「大麦のゆでたもの(よましたもの)」「よまし麦」と呼び、「世の中を回す」
        と語呂合わせにして縁起ものとされていた。

境内にある「ざる破り神事」のレリーフ
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1回目の空練り(からねり)
午後8時ちょうどに花火の合図で1回目の空練りと呼ばれる練り合いが始まった。男たちは待ち構えていたように、気勢をあげて参道を走り境内に飛び込んできた。ざるの無い空練りは2回行われ、3回目の本練りでざるが拝殿より投げ入れられてクライマックスを迎える。

地元 一色会の提灯をかざし練り合う


ワッショイ、ワッショイ!
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早くも力水に体が濡れる

厄年の人は赤の六尺褌を締め、それ以外は白の六尺褌を締めている。紅白褌入り乱れての練り合いとなった。

紅白の六尺褌
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スクラムを組んでもみ合う
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力水でぬかるむ足元

このざる破り神事は容赦なく力水が浴びせられる。裸の男たちは、たちまちずぶ濡れになってしまうが、観衆やカメラマンもその洗礼を受ける。境内に準備されたタンクからバケツで汲んで遠慮なしにぶっかけるから恐れ入る。

押し合いも加速する
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1回目の空練りが終わる

2回目の空練り(からねり)
男たちは約20分ほどの1回目の空練りが終わると一旦引きあげて小休止を取る。そして20時40分に花火を合図に2回目の空練りが始まった。1回目より人数が増し、白熱した肉弾戦が繰り広げられた。

2回目の花火を合図に境内に走り込む


拝殿前で激しく押し合う
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