2006年9月12日作成

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広島県廿日市市宮島町(厳島神社)

 

                   





見事に今年の落し主となったのは、宮島町消防士の岡谷利幸さん(54歳)であった。岡谷さんは宝珠を固定していた紐を解いてから、ゆっくりと海中へと投げ落とした。

宝珠を投げ落とす

海に投げ込まれた宝珠を奪い合うため、海中で待機していた若者達の激しい争奪戦が始まった。3ヶ所に設けられた注進所の何れかに宝珠が投げ入れられると、めでたく今年の取り主が決定する。

海中の宝珠争奪戦
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宝珠を高々と投げ上げる
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太陽がジリジリと照りつける中、激しい争奪戦に加わる人いれば、海中で気持ち良さそうに見守る人もいる。

キャッチボールのようにリレーされていく

宝珠が投下されてから2分ほどして、一人の若者が、追従する男たちを振り切るようにして、猛然と注進所へ向かってダッシュし飛び込んできた。

宝珠をダイビングキャッチした一瞬


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取り主が決まった決定的瞬間!


注進所のバスケットに投げ入れられた宝珠
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激しい争奪戦の末、首尾よく宝珠獲得の名誉をつかんだ取り主は、地元、もみじまんじゅう製造業の竹内基浩さん(31歳)だった。竹内さんは”俺が取ったぞー”と観衆に向かって力強いガッツポーズを見せた。

観衆に向かい勝利のガッツポーズ

取り主が決定すると、本殿の大太鼓が鳴り、無事、玉取祭が終了した。男たちは火焼前(ひたさき)に向かって移動し、海から次々と上がってきた。

取り主となった竹内基浩さん


火焼前(ひたさき)に上がる


疲れ切った様子のおじさん
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続々と海から上がる男衆
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男たちが海入り宝珠争奪を行い、再び上がってくるまで、約15分ほどの時間であった。シャワーを浴びて控え室へと向かい、その後、落し主と取り主は記念品を受け取る。

男たちの後ろには夏らしい入道雲が湧く
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控え室へと向かう

宝珠は毎年新しいものが使われ、取り主はそれを持ち帰ることができる。名誉ある取り主となった竹内さんは、結婚を控えており、「宝珠にあやかり、幸せな家庭を築きたい」と話していた。

幸運の取り主となった竹内基浩さん
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今年の玉取祭の取り主となった竹内基浩さん






 
厳島神社の玉取祭は一昨年に続き、今回で2回目の取材となった。80人余りの参加者の中で、褌姿の人は10名くらいであり、大半が海パン姿で、一昨年と何ら変わっていなかった。400年も前から伝わる伝統の祭りが風化し、海パン姿に変質してしまっていることが残念でならない。ごく少数の褌派でかろうじて昔の面影を保っているのが現状である。作品化にあたって、極力、海パン派をカットして、褌派に焦点を絞って作成した。この作品を見て、在りし日の玉取祭を思い浮かべて頂けたら光栄である。
 2006年8月13日撮影: ニコンD70  538枚(735MB) 


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