2005年10月30日作成

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三重県鳥羽市国崎町 (海士潜女神社


                   





それぞれの地区に戻った若者たちは、年長者の激励を受ける。酒を振舞われコップ酒を飲み干す。年長者たちは昔を懐かしむように後輩達に力強いエールを送っていた。

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浜で年長者の激励を受ける

午後3時半になると再び鎧崎に向かい出て行く。途中で里谷の和船と合流し、2艘が揃って進んで行く。

合流して鎧崎(よろいざき)に向かう
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2艘の和船はお互いが併走し、柄杓で海水を掛け合いながら目的地の鎧崎に乗り込んで行った。

海水を掛け合う前哨戦
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西日を浴びて進む里谷の和船

鎧崎の浜の沖合いに2隻が並び、互いに速さを競う和船競漕が始まった。里谷(さとたに)が勝てばボラが、海間谷(かいまたに)が勝てばイワシが多く捕れると伝えられている。

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沖合いから浜に向かっての競漕

鎧崎の浜に着くとUターンして、再び沖合いに向かう。この競漕を何回も繰り返す。悪天候の年は2〜3回で終わるという。今年は好天に恵まれ何回も往復し競漕していた。

海水を掛け合っての競漕
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浜では地元の人たちが高みの見物をしながら声援を送っていた。どちらが勝つか負けるかというよりも、皆がこの祭りを楽しんでいるのが印象的である。

高みの見物

ちなみに現在はこの競漕には勝敗はつかない。お互いが競漕することで豊漁を祈るという。漁獲も今はボラやイワシではなく、スズキや伊勢海老などの高級魚が水揚げされている。

夕日を受けて沖合いに向かう里谷5人衆
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陽気な海間谷5人衆
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午後4時過ぎに和船競漕は終わり、若者たちはすぐに船の引き上げにかかった。

船を引き上げる
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若者たちは近くにある海女小屋で着替えをする。地元の女性たちが着替えを渡し、和やかな雰囲気である。

海女小屋の風景
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着替えに向かう若者

11月後半の海は身を切るような冷たさである。着替えを終えた若者たちは、焚き火に当たりながら甘酒を飲んで冷えた体を温めていた。午後4時30分頃に全ての行事が無事終了した。

甘酒を飲みながら暖を取る
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かつては陸の孤島といわれた鳥羽国崎であるが、今は民宿や旅館等もあり訪れる人も多い。荒磯に囲まれた海で、和船を漕ぐ若者たちは、皆陽気にこの祭りを楽しんでいた。古式に則り、褌を締め、藁帯の古代衣装をまとった出で立ちは二船祭りならではのもので独創性がある。この二船祭りがいつまでも後世に残って行って欲しいものである。
 2004年11月23日撮影: ニコンD70  898枚(1324MB) 
  

 

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