2006年8月30日作成

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香川県小豆島郡小豆島町馬木

 

                   





「ヤッシッシ」踊りの由来
この踊りは、江戸時代初期に始まったと言われている。当時の若者達の地域社会への意思表示として、一年間の収穫を祝い、来年の豊作を祈願し、氏神の内海(うちのみ)八幡宮へ祈願奉納したのがこの「ヤッシッシ」である。毛槍を持ち、法被を羽織って踊る衣装が、いつの頃か赤褌一丁となり踊る様は、田舎の素朴さの中にも力強い若者の男性を意識した踊りになっている。江戸時代末期には何百人もの男たちが列をなして、「裸で道中なるものか、どえらいこっやなヤッシッシ」と唄い踊ったと伝えられている。

♪ 裸で道中なるものか


♪ どえらいこっやなヤッシッシ
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踊りに参加する人たちは、約20〜30名で地元の男たちである。飛び入りでの参加もOKで、この日は観光客の女性も何人か参加していた。踊り自体は簡素なのですぐ踊ることができるようだ。

♪ お寺の坊主のマラ見たか


♪ お経の口説くでマラ黒い
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ヤッシッシが踊られている間は、「春歌」が歌われる。マイクを持った係員が会場に響き渡るような大きな声で歌う。歌詞の内容は後述にあるような、裏歌としての「春歌」性に関する歌詞が多くある。表歌として、地場産業である塩、醤油造りのほか、収穫を祝うものが約150曲余りあるが、現在はマスコミも含め公的機関のイベントでも「春歌」が歌われている。この日の舞台では、1番から10番までの歌詞が書かれた紙を見て係員が歌っていた。

正面舞台で「春歌」を歌う

「ヤッシッシ」踊りの歌詞
人は皆、裸で生を受ける。人は皆、裸で付き合えば、そこに平和がある。人は皆、性を語らう時、戦いはない。人は皆、裸で歌い踊り語る。そこから始まる・・・・・。「シー ヤッシッシ ヨイトマカセ」
(1)ここから江戸まで 三百里 オオ ドウシテイヤ 裸で道中なるものか   ドエライ こっちゃな ヤッシッシ
(2)おかかが そこ豆 うづかして オオ ドウシテイヤ おやじが針すりゃすぐ尚る医者よりましかいなヤッシッシ
(3)お寺の坊主のマラ見たか オオ ドウシテイヤ お経の口説くでマラ黒い ありがたいこっちゃな ヤッシッシ
(4)姉さん針穴いつ割った オオ ドウシテイヤ 二十と三夜の真夜中に 月の出しなに つき割った いたい
   こっちゃなヤッシッシ
(5)姐さん そこらに おらんすな オオ ドウシテイヤ おいらの赤ふんすぐ取れる 危ないこっちゃなヤッシッシ
(6)姐さん 浜辺で 潮干狩り オオ ドウシテイヤ マテ貝 下から 汐ふいた なんのこっちゃいな ヤッシッシ
(7)月の 浜辺に 来て見れば オオ ドウシテイヤ 岬の 岩かげ 恋の花  焼ける こっちゃな ヤッシッシ
(8)秋は かんかけ もみじ狩 オオ ドウシテイヤ 星が城に 月が舞う  夢のようじゃな ヤッシッシ
(9)あなた 行くなら この私 オオ ドウシテイヤ 共に 手を取り どこまでも あついこっちゃな ヤッシッシ
(10)今年ゃ 豊年 ねづみ年 オオ ドウシテイヤ 米倉建て 家建てた めでたい こっちゃな ヤッシッシ 
   めでたい こっちゃな ヤッシッシ   ヨイトマカセ

♪ オオ ドウシテイヤ


♪ ありがたいこっちゃな ヤッシッシ


姉さん針穴いつ割った

約250年前の徳川中期から伝えられている「ヤッシッシ」踊りは、江戸城への参勤交代「大名行列・奴さん」の姿を模して、当時の若者が酒宴の席で踊ったのが最初と言われている。

いたいこっちゃな ヤッシッシ


おいらの赤ふんすぐ取れる
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小豆島は元々、半農半漁、瀬戸内海船舶往来の途中基地、また、海賊の基地だったとも言われており、地場産業の塩、醤油、酒造りに従事していた若者が酒席で、面白くおかしく、見よう見まねで踊り、地元八幡神社に、農業の実り、豊魚を祈願奉納し、娯楽の少ない時代に唯一の娯楽としても親しまれたと言われている。

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危ないこっちゃな ヤッシッシ


マテ貝 下から汐ふいた
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なんのこっちゃいな ヤッシッシ

踊り方は、右手に毛槍を持ち、左手は左胸あたりに握りこぶしを作り、屈伸→片足ごと後ろに蹴り上げる→左手を横に広げる(この動作を繰り返す)。囃子と共に大勢で「ヤッシッシ」とかけ声をかける。実にシンプルであるが、屈伸動作があるため、かなりの疲労感があるらしい。突然に踊ると、翌日にはひざが痛み、かなりきついと言う。

焼ける こっちゃな ヤッシッシ


夢のようじゃな ヤッシッシ
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イベントでは観衆を交えて踊ることが多く、「ヤッシッシ、ヤッシッシ」の掛け声で、見る側と踊り手が一体になり、心を一つにして踊られ、豪快さと男くささが魅力となっている。

あついこっちゃな ヤッシッシ  


めでたいこっちゃな ヤッシッシ


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