2006年4月5日作成

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岡山市 西大寺(西大寺観音院)

                   

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宝木は裸の渦(うず)の中にあり見えないが、宝木に焚き込まれた香(こう)の強いにおいを頼りに、裸が渦を目がけて飛び込んで行く。その度に大床からあふれた裸がなだれ落ちる。やがて裸の渦は境内へと移動していく。

本堂周辺を大勢の裸が取り囲む
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境内を移動する裸の渦

宝木投下から約5分ほど経過した。境内で数組の裸渦に分かれてもみ合い、やがてその渦が消えた頃、「宝木が抜けたぞ!」という声で裸たちは争奪戦の終りを察する。直後に大床で裸たちは健闘をたたえ合い歓喜する。

宝木が抜けた直後の境内


健闘をたたえ合い拍手喝采
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激しい争奪戦の余韻
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争奪戦の余韻に浸る裸たち
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午前零時15分頃になると境内の裸の数は徐々に減り、やがて静寂な観音院の姿に戻っていく。

潮が引くように裸が引き揚げていく

裸たちは近くの簡易テントやそれぞれのグループ控え所に戻って、着替えを済ませて帰っていく。

簡易テントに入り着替えをする
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午前1時近くになって宝木を獲得した2つのグループが、宝木仮受所である西大寺商工会議所にやってきた。仮受所に持ち込まれた宝木は、白米を盛った一升枡(ます)に突き立てられる。そのあと寺に連絡され、検分役の僧侶が宝木削り(宝木の原木から宝木を削る行事)の時に切り放した元木を持って行き、一升枡の宝木と木目を合致させて判定する。本物と認められれば福男の称号が与えられる。

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宝木を獲得した阪田グループ


宝木を手に商工会議所に向かう寺坂グループ

宝木は検分(けんぶん)によって本物であると断定されると、仁王門を通って、祝い込みの場所である西大寺観音院の客殿まで運ばれる。福男はそこで僧侶による「宝木封じ込み儀式」に立ち会う。

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宝木の検分を終えて仁王門をくぐる阪田グループ


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検分済み宝木を手にする寺坂グループ

寺の僧侶が宝木を朱塗りの丸形の厨子(ずし)に納め、祈念して祝主に渡す。そして祝主がこの宝木を寺に納めて会陽行事が終結する。福男には後日、祝主である岡山トヨペット(株)とネッツトヨタ香川(株)から賞金が贈られる。

客殿での「宝木封じ込み儀式」


厨子(ずし)に2本の宝木が封じ込まれた
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2006年 福男(ふくおとこ)
今年、宝木の取主となったのは、3回目の獲得となった岡山市宮浦の自営業・阪田グループ(阪田達也さんら10人)と、初めての獲得となった岡山市西大寺中の寺坂グループ(寺坂幸也さんら12人)であった。
福男: 阪田グループ    岩崎 伯紀(32才)   大塚 良二殿(32才)    阪田 臣司(34歳) (敬称略)
福男: 寺坂グループ     小林 達史(23才)   加島谷 祐司(27才)    羽納 通浩(23歳)   (敬称略)





  
昨年に続き今年も西大寺会陽を見に行った。とにかく参加者も観衆も大勢のため、なかなか自由に行動出来ない。ゆえに、会陽の全てを一度に撮影することは困難のようだ。時間単位のスケジュールと会場周辺に熟知していないと一部しか撮影出来ないと思う。出来れば何年かにわたり撮影するのがベストだろう。そんな意味で今年は町に繰り出す裸(はだか)と本堂大床の押し合いを中心に撮った。昨年の作品とあわせて見て頂けたら光栄である。
 2006年2月18日撮影: ニコンD70  1043枚(1540MB) 
  

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